丁度2年前の今頃だ。適当にその辺にあったトレーニングウェアを用意し、以前から持っていたプリンスのラケットを出してきた。ガットを張り替えた方が良いが、今日は取り合えずそのままで良いや。急いで着替えをしてテニススクールへ向かう。シューズは借りた。普段使いにスタンスミスを持っていたが、昔のタイプなのでクッションが薄めだし、インドアなので分ける必要がある。スクールで貸してくれたのを履いた。ラケットも貸出し用がいっぱい用意してあったが、グリップが馴染まないようで借りる気にならなかった。
昔はラジオ体操が準備運動だったがストレッチングに変わっていて先ず戸惑った。腕をねじったり引っ張ったりが要領よくできない。見よう見まねでやるので、体を充分動かしきれなかったのが先ず敗因だった。忘れたと言うよりも初期にインプットされた動きになってしまい、球は打てるがコーチのいう通りに振りができなくて注意されっぱなしだった。僕が始めた頃はグリップはコンチネンタルと言って今のボレーと同じ中間の握り方で、ストロークもひたすら水平に維持して振り切ることを教えられた。ローズウォールの時代である。勿論若い人は知らないだろうけれど。現在はフォアは薄めに持って前上方に振りぬくように教える。久し振りでそれがなかなか出来なかった。
疲れて帰って直ぐ昼寝してしまった。その夜は体中の筋肉が痛み始めた。特に肩の周りがひどく、痛みで眠れない。実は肉体的にだけでなく精神的にもダメージを受けていた。クラスは初心者から上級まで分かれていて、昔会社のクラブや仲間とやっていた経験から中級位には入れるだろうと思っていた。一度レッスンを受けてクラスを決めるということで初級クラスを受けたのだが、そのまま初級クラスに決まってしまいがっくり来ていたのだ。後になってみると進級もスムーズかつ早くて、凄いですねとフロントの女の子に誉められたりして、結果として良かったのだが、最初は本当に落胆した。そんなことをグズグズ考えたりして体も痛んだので一晩眠れなった。1日経っても痛みが取れず医者へ行き貼り薬をもらい、ストレッチングも習ってきた。それ以来毎日ストレッチングは欠かさないでいる。
結局次の週まで痛みが残ったので、休んで色々と備えた。先ず形から。テニス用のウェアと最新のラケットを買いに行った。ラケットは昔と同じプリンスを選んだ。最初性能が分からない時やスペックに差がない時は、デザインで選ぶのがポリシー。白色のラケットはシャラポアとか女性のイメージだが、最初のラケットがフタバヤの「ブルーボレー」で白色にブルーのストライプというデザインだったので今でも白いラケットが好きだ。ネック部分に竹を使ったという特徴を持った素直で使いやすいラケットだった。後年その竹の素材感を生かした無塗装のデザインに変わっても使ったものだ。

昔のフタバヤカタログで表紙がブルーボレー
ウェアもプリンスに揃えた。シューズはカーペット専用がなく後回し。2週間後再スタート。やっぱり直ぐには思い通りに出来ない。当たり前か?会社を辞めて16年間テニスから離れていたのだ。体も劣化している中、まあ何とか走り回れるだけで良いと思おう。1ヶ月もするとレッスンにも慣れてきた。
しかし、昔始めた頃と比べると何と幸せな環境だろう。雨の日も風の日も寒い日も暑い日も関係なく、快適な室内環境でプレイできる。1年間半袖で良い。床はカーペットでクッションも良く、イレギュラーはしない、終わってからローラーをかけなくても良い、まして球拾いもしなくて済む。あの頃のひと月分の球数が1回のレッスンで打てる。イメージとプレイのギャップはまだ大きいが、再開することができて本当に嬉しい。